従来のターボジェットエンジンには、ジェット噴流が機体の速度よりも速い亜音速(時速約918km以下)での飛行では、空気抵抗のため推進効率が悪いという欠点がありました。この解決策としてタービンの出力をプロペラの駆動に利用するターボプロップエンジンが考案されましたが、こちらはプロペラの速度が音速に近づくと効率が悪くなるという弊がありました。加えて、噴流の全てがタービンに吸収されるのではないため、高速の噴流は効率の悪さにつながっていました。そこで開発されたのがターボファンエンジンで、コアエンジンであるターボジェットにファンを加えたものになっています。これはターボプロップエンジンのプロペラを小型化して、ジェットエンジンの中に収めたものと見なすこともできます。

ターボプロップエンジンとターボファンの違い

ターボプロップエンジンでは、プロペラの回転から生じた空気噴流の全てが推進力にまわされるのに対して、ターボファンエンジンでは空気噴流の一部がコンプレッサーの外側を迂回して低温低速噴流となります。この噴流と、コンプレッサーからターボジェットを通った高温高速噴流とが混合されて噴流速度が平均化されるため、当該機体にとっての最適速度の噴流が得られます。ターボジェットよりも遅く、ターボプロップよりは速い速度が得られるわけです。加えて、噴流の量も増して出力が増大します。一般に中低速ではターボプロップエンジンの方がターボファンエンジンよりも効率が良いので、そういった条件の機体には多く採用されていますが、飛行速度が高速になるほどターボファンエンジンの効率性が高まり、そちらの採用例が多くなります。

ターボファンエンジンを採用するメリット

ターボファンエンジンが最初に実用化されたのは1950年代。その後、1970年代以降には超音速戦闘機の主流になりました。超音速戦闘機の使用は、その名前とは異なり、ターボファンエンジンの効率性が高い亜音速領域の場合がほとんどであることが分かったことが理由の一つです。加えてターボファンエンジンの場合、燃焼されない空気噴流がある分、排気中の酸素量が多く、アフターバーナーによる出力増大が大きく、また出力調整可能範囲が広いことにもなります。そこで頻繁に出力調整が必要な戦闘機には有利になるわけです。コアエンジンの前部にファンがあるものがフロントファン形式で、現在はこれが主流です。ターボファンエンジンにおける噴流速度の低下は、図らずも騒音を低下させる効果にもつながっています。